【6】感謝の心を深める「内観」
●内観とは?
ひかりの輪では、「内観」という感謝の心を培う自己内省法を取り入れています。
内観とは、浄土真宗の一派に伝わる「身調べ」という修行法から派生し、その後、宗教的な要素を取り除いて、誰もができる自己反省法として確立されたものです。学会もあって、海外にも広がっています。
その方法は、至って簡単で、内観専門家の指導のもと、自分がこれまでの生涯で、両親・親族・友人知人に、
① 他人から、していただいたこと
② 他人に、して返したこと
③ 他人に、迷惑をかけたこと
を1つ1つ思い出していくという作業のみを、丸1日~1週間ほど集中して行なうというものです。
なお、親がいない人は、親代わりに育てくれた人を親と見て行います。
●内観の効能、現代人に重要な感謝の心
内観の良さは、感謝の心=愛が深まり、幸福感が増し、心が安定することです。
また、感謝の心が深まれば、人間関係も改善します。
そして、その延長上には、仏教が説く悟り、心の解放、慈悲の体得の土台にもなります。
逆に、心理学では、子供時代に親の愛を認識できず、感謝の心が乏しい場合は、自分の価値がわからなくなり、それを感じようと、自己中心的な傾向が生じるとも言います。
そうした人は、傲慢に見えますが、自分の価値がわからないのですから、卑屈でもあります。
そのため、逆に、他と壁を作り、内向的になり、疎外感を感じる場合もあるようです。
しかし、現代の日本では、親を尊敬する子供は、半数に満たないという意識調査もあります。
敗戦による父権の喪失もあるでしょうが、経済成長重視の競争社会で、「もっと、もっと」という欲求が深まり、感謝よりも不満の心が生じやすくなっています。
こうした状況の中で、感謝の心を深める内観は、非常に重要です。
親などの愛を認識し、感謝が深まれば、健全な形で自分の価値=自尊心を形成できます。
すなわち、自己と他者の双方に対する愛を育むことができるのです。
さらに、内観が深める感謝の心は、仏陀の智恵が説いた真の幸福の道、すなわち、足るを知って、他と分かち合う道とよく合致します。
さらに、慈悲の心を持つ菩薩になる修行の道として、全ての生き物に対する感謝の心を培う教えがあります。
こうして、悟りを求める人にも、感謝・内観は重要です。
●ひかりの輪の内観セミナー
実際には、講義を含めて「数時間」のものから、祝日などを利用して丸1日行なう「1日内観」、さらには、2~3日のもの、1週間合宿して行なうものなどがあります。
ひかりの輪では、祝日などを利用し、内観の国際的な権威の大学教授の方の指導の下で行なう「内観セミナー」が、各教室で定期的に行われています(基本的に一日内観)。
この貴重な機会を是非ご活用下さい。
より詳しく内観についてお知りになりたい方は、HPの「内省法・内観」のコーナーをご参照ください。