19.インド占星学の予見とパンデミックや今後の戦争
シンクロニシティの存在は別にして、それを前提とするならば、占星学は、統計学的な色彩を持つことになる。占星学が社会的に高く評価されているインドでは、インド占星学(ジョーティシュ占星学)の大学、教授、学会誌などがあり(※下記参考文献13)、統計学的な手法で研究されている。
そして、インド占星学の最高権威のK・N・ラオ氏が、2013年に「2020年にインドは東京五輪には行けないだろう」と予言したことや(※下記参考文献14)、インドの14才の天才少年アビギャ・アナンド君が、2019年に「2019年末から2020年前半にかけてウイルスパンデミックが起こる」と予言したことが(※下記参考文献15)、予言が的中したのではないかと一部で注目を集めた。
そこで、私の方で厳密に検証してみると、当たっている部分とそうでない部分の双方があった。ラオ氏の予言に関しては、五輪に行けない原因が、国際的な緊張とされており、また、インドが五輪に行けないとしているが、五輪自体の延期には言及がなかった。
また、アビギャ・アナンド君の予言は、パンデミックの発生時期は的中したように思われるが、終息の時期を、2020年5月末から7月と予言していた。しかし、現実は、その時点では、インドを含めた世界全体で依然として拡大・再拡大していたので、的中しなかったと判断するべきだろう。
今後に関しては、ラオ氏が、2025年頃から大国間紛争が起こり、2030年にそれがピークに達する可能性があるとし(※下記参考文献14)、アナンド君は、2029年から2032年に第三次世界大戦が勃発する可能性が高いという予見を発表している(※下記参考文献16)。
なお、誤解がないように強調しておくが、両者とも大国間の紛争の可能性を予見してはいるが、ラオ氏が強調するように、いわゆるハルマゲドン・人類の終末は明確に否定している。すなわち、あくまでも部分的な破壊である。
しかし、ロシアのウクライナ戦争が勃発して、核使用の危機も言われ、さらには、中台紛争の可能性が言われるようになった今日の現実の情勢を見れば、これはもはや占星学の話ではない。最近の報道では、米軍司令官が、2025年に中国の戦争が始まることを直感し、その準備を指示したという事実が報道されてもいる(※下記参考文献17)。
すなわち、こうした予見が的中することがないように、現実に全力を尽くさなければならない状況であることはいうまでもない。そして、そもそもインド占星学は、運命決定論では決してなく、その予見に基づいて、悪いことは起こらないように努めるべきものであると解釈されている。
※参考文献13:インド占星学の学会誌HP:http://www.jyotishajournal.com/
※参考文献14:
https://ジョーティシュ.com/current/india-not-participate-in-tokyo-olympic
※参考文献15:https://tocana.jp/2020/04/post_151308_entry.html
※参考文献16:https://yorozoonews.jp/article/14595554
※参考文献17:https://www.afpbb.com/articles/-/3448875
《出典:2023年GWセミナー特別教本『覚醒の道:仏教の幸福哲学 400年周期の仏教改革の開始』第2章より》