11.80年周期説の背景にある社会構造
米国では、80年周期説の背景に、軍事専門家で評論家でもあるマイケル・ホプフ氏が著書で紹介した「人間社会の4サイクル」が内包されているという。その4サイクルとは、以下のとおりである(※前出の参考文献2参照)。
1 HARDTIMES CREATE STRONG MEN(苦しい時代は強い人間を生む)
2 STRONG MEN CREATE GOOD TIMES(強い人間は楽な時代を生む)
3 GOOD TIMES CREATE WEAK MEN(楽な時代は弱い人間を生む)
4 WEAK MEN CREATE HARD TIME(弱い人間は苦しい時代を生む)
この4つのサイクルの1つの期間が、人間が成人する20年であり、1つの世代の傾向を形成する期間だとすると、4サイクルで合計80年の周期になる。
なお、日本の80年周期説の支持者の中にも、似たようなことを主張する人がいる。その場合は、親子三代のサイクルが80年というものである。初代が苦労して大成し、二代目がそれを維持するが、甘やかされて育った三代目でつぶれるという経験則である。これが、社会全体にも当てはまるだろうというのである。
また、日本にも、この80年周期を4つのサイクルに分けて、それぞれ20年単位の社会の再生・成長・停滞・破壊の循環があると説くものもある。
《出典:2023年GWセミナー特別教本『覚醒の道:仏教の幸福哲学 400年周期の仏教改革の開始』第2章より》