15.オウムと大日本帝国のシンクロニシティ
こうした視点からは、オウム真理教が大日本帝国とシンクロしているという見方ができなくはない。そもそも、私が、麻原・オウム真理教からの脱却・反省・総括の過程で気づいたことが、麻原・オウム真理教と大日本帝国の類似性であった。共に宗教的思想を教団・国家の中心とし、神の教団・国家として、反米的な活動・対米戦争を行った。
それに加えて、麻原の重要な教義のハルマゲドン予言自体が、大日本帝国の歴史と60年周期で重複する事実があったのである。このことはオウム時代の反省・総括を著した拙著『オウム事件17年目の告白』でも述べたとおりである。
1997年:日米決戦のハルマゲドン →1937年に日華事変、日米対立が激化
2001年:日米決戦のハルマゲドン →1941年に太平洋戦争開戦
2006年:2006年までに広島に核が落ちる →1945年に広島原爆投下
また、麻原・オウムの活動の経緯が、大日本帝国の歴史の縮図のような様相も呈している。オウム真理教の1年を日本の10年として見ると、類似点があるようにも見える。
1986年前後:オウム神仙の会の設立 →1868年:明治維新
1989年:宗教法人オウム真理教の設立 →1890年大日本帝国憲法の施行
1989年:坂本弁護士事件=最初の重大事件 →1894年の日清戦争
1990年:国土法事件=第二の重大事件 →1904年日露戦争
1993年:教団武装化の本格化 →1930年代の大陸進出の本格化(満州事変・日中戦争)
1994・95年:松本・地下鉄サリン事件 →1940年代の対米戦争
《出典:2023年GWセミナー特別教本『覚醒の道:仏教の幸福哲学 400年周期の仏教改革の開始』第2章より》