よくある質問(過去のオウム関連事項について)
(2022年3月20日)
1,ひかりの輪は、オウム真理教の後継団体ではないのですか?
ひかりの輪は、オウム真理教(以下「オウム」と略記します)の後継団体ではありません。
逆に、オウムからの脱却を果たし、オウムに反対している団体です。
そもそも後継団体というためには、オウムの教祖・麻原彰晃が作ったオウムの教義を信奉し、その教義を広めるための活動をしていなければならないはずです。
しかし、ひかりの輪には、「麻原を個人崇拝し、殺人を肯定するという特徴を有するオウムの教義」などは、一切存在しておらず、逆にその危険性や過ちを強く訴えています。
そして、オウムの教義をいまだに流布しているオウムの後継団体アレフの活動を阻止すること等によって、オウムの教義の流布を防いでいるのです。
この経緯については、記事「脱麻原・脱オウムの諸改革」「反麻原・反オウム(アレフ)の諸活動」等をご覧ください。
また、オウムの後継団体というからには、宗教団体でなければならないはずですが、ひかりの輪は、後に述べるように、宗教団体ではなく、思想哲学の学習教室です。
2,ひかりの輪は、オウム真理教の後継団体であるアレフと、どのように違うのですか?
オウムの後継団体アレフは、いまだにオウムの教義を信奉しています。つまり、麻原を絶対的存在として神格化して崇拝し、殺人を肯定する教義を信じて、サリン事件などの一連のオウム事件を宗教的に肯定しています(なお、一部の新入会員に対しては、「オウムは事件に関与しておらず、国家権力の陰謀によって陥れられた」と、虚偽の説明をしています)。そのために、事件の被害者への賠償金をお支払いする契約の締結を拒否しているほどです。
そして、社会に対して敵対的な姿勢を強め、より閉鎖的な方向に進んでいます。
ひかりの輪は、そもそも、麻原への個人崇拝や一連のオウム事件の過ちを直視し、それを反省した者たちがアレフを脱会して結成した団体ですので、このようなアレフの在り方に対しては根本的に反対しており、その活動をあらゆる形で阻止することに努めています。
このような、ひかりの輪とアレフの違いの詳細については、記事『ひかりの輪とアレフの大きな違い』をご覧ください。
3,ひかりの輪は、麻原について、どのように考えているのですか? 「麻原隠し」(ひそかに麻原への信仰をしているが表面上は隠していること)をしていると公安調査庁が言っていますが、本当ですか?
ひかりの輪は、麻原を信仰していませんし、逆に、麻原のことを、その生い立ちや身体障害等に起因した人格障害者であると位置付けています。具体的には、麻原は、心理学用語でいうところの「空想虚言症」「誇大自己症候群」であり、そのような人格障害が、国家権力から不当に攻撃されているという過度の被害妄想を生み出し、一連の事件を引き起こしていったと考えています。
このような麻原の精神病理の詳細については、記事『心理学的な視点に基づく、麻原・弟子・現代社会の人格分析』をご覧ください。
麻原が潔く自らの過ちを認めて、アレフ信者に対して麻原への帰依を捨てるよう呼びかけるのが望ましかったのですが、それがなされないまま死刑執行に至ってしまいました。
その他、公安調査庁が「麻原隠し」と述べていることへの反論については、こちらの記事もご覧ください。
4,ひかりの輪は、地下鉄サリン事件などのオウム事件について、どのように考えているのですか?
誇大妄想や被害妄想にとらわれるという人格障害者であった麻原が、自らが支配する国家の建設を妄想し、その実現を妨害しようとしているように見えた社会に対して引き起こした、決して許されるべきではない非道な犯罪であったと考えています。
そして、その責任は、麻原のみならず、麻原に自らの欲望を投影して、麻原と同調した弟子達や、そのような教団を支えた多くのオウム信者にも帰せられるべきだと考えています。
ひかりの輪の中でも、かつてオウム信者であった者につきましては、深くその責任を感じ、償いのためにも、二度と同様の事件が起きないように反省・総括を深め、社会に教訓を残す活動に努めるとともに、被害者の皆様への賠償金のお支払いに全力を挙げさせていただく所存です。
5,ひかりの輪は、オウム事件の被害者に対して賠償金を支払っているのですか?
ひかりの輪は、2009年7月6日、オウム真理教の犯罪被害者の方々による組織である「オウム真理教犯罪被害者支援機構」との間で、被害者賠償金をお支払いする契約を締結しました。
この契約では、従来破産債権者としての届出を行っていた被害者の方々だけではなく、被害者救済法に基づき国からの見舞金を受け取る資格がある被害者のうち、破産債権者としての届出を行っていなかった被害者に対しても、賠償金をお支払いすることをお約束いたしました。
この契約等に基づいて、ひかりの輪が2023年6月末までにお支払いしてきた賠償金の総額は、約5800万円となります(最新のお支払い状況は、こちらの記事をご覧ください)。
賠償契約を締結した2009年から2014年までの間の、ひかりの輪の資産と賠償の額をグラフにすると、以下の通りとなります。
ご覧の通り、ひかりの輪は、厳しい財務状態の中で、資産を取り崩しながらも、契約が義務付けている年間300万円以上の賠償を維持しています。
現在、オウム真理教犯罪被害者支援機構との間で正式に賠償契約を締結しているのは、ひかりの輪だけです。
アレフについては、2000年(上祐がまだアレフに在籍していた時代)に賠償契約を締結しましたが、2009年頃から契約の履行を拒否しているため、被害者支援機構が裁判所に訴えたところ、約10億2500万円を被害者支援機構に支払うよう、アレフに命じる判決が確定しています。
また、アレフを脱会した他の個人・グループについては、たとえオウム事件当時の幹部であっても、賠償契約を締結していません。
ひかりの輪の現会員のうち、オウム真理教時代に会員だった者は、オウム真理教の全会員の1パーセントにも至りませんが、すでに、オウム真理教が負った被害者賠償債務の1パーセントを大きく上回る額を(2000年からのアレフ時代を含めれば)お支払いしています。
ひかりの輪は、あらためてこの場を借りて、アレフをはじめとするオウム事件に責任を負う全ての者が、被害者賠償契約の締結と実行を通じて、賠償に努めるよう呼びかけたいと思います。
なお、こちらの記事には、賠償に関するより詳しい説明に加え、以下のご質問の答えがありますので、あわせてご覧ください。
1.被害者は賠償ではなく解散を求めているのではないか?
2.哲学教室の活動ではなく、一般の就労で賠償はできないのか?
3.解散して個々人が賠償できないのか?
6,ひかりの輪は、近ごろ資産を急速に増大させて数億円の資産があると一部で報じられていますが、本当ですか?
本当ではありません。
ひかりの輪の資産は、約1000万円ほどです。
資産を急増させているとか、資産額が数億円にのぼっているなどの話は、オウムの後継団体アレフについてのことです。
公安調査庁は、ひかりの輪も巨額の資産を持っているかのように世間に印象づけるために、「アレフとひかりの輪を合わせて資産が数億円」などと発表していますが、その大部分はアレフが占めています。
ひかりの輪は、その資産の多くの割合を、被害者組織への賠償金お支払いに充当していますので、資産は減少傾向にあります。その具体的なデータについては、上記質問5に掲載したグラフをご覧ください。
7,ひかりの輪は、近ごろ多数の若者を入会させて会員数を増大させていると一部で報じられていますが、本当ですか?
本当ではありません。
多数の若者を入会させて会員数を増大させているのは、アレフのことです。
公安調査庁は、ひかりの輪もそのような傾向にあると印象づけるために、あえてアレフと混同させるような内容の情報を発表しています。
そもそも、ひかりの輪は、開かれた団体として、入会しなくても誰もが活動に参加することができるため、入会の勧誘を行っていません。実際に入会せずに参加される方が多くいます。もちろんアレフのように大学で学生をターゲットにした入会勧誘活動などは行っておりません。それもあって、会員数は発足時から減少を続けています。その具体的なデータは、以下の通りです。
なお、ひかりの輪は、アレフが「オウム事件は国家権力による陰謀」などという虚偽の情報に基づいて多くの若者を勧誘し入会させている現状を問題視しており、専用のブログを開設して、その勧誘活動を阻止すべく努めています。
8,ひかりの輪は、宗教ではないのですか?
ひかりの輪は、宗教ではありません。
ひかりの輪は、オウム真理教が、崇拝対象(麻原)に対する疑問や理性による考察を許さない絶対的な信仰を信者に要求し、行きすぎた盲信を伴った過ちに対する反省に基づき、宗教の在り方を理性的に追究する宗教哲学の実践をしています。
このようなひかりの輪の基本的性質については、上祐代表と共著のあるジャーナリストの田原総一朗氏も認めています。
9,ひかりの輪は、オウム真理教の出家制度を維持していないのですか?
上記のとおり、そもそも、ひかりの輪は宗教団体ではありませんので、宗教上の概念である「出家」に基づく制度は存在していません。
現に、オウムにおいては、家族との交流を断ち、全財産を教団に布施して集団居住する出家制度がありましたが、ひかりの輪においては、家族との交流は自由であり(むしろ内観の実践に基づき交流を推奨している)、両親等の介護が必要な場合は団体が支援し、また全財産を団体に提供する義務はなく私有財産の所有を認めており、出家制度を特徴付ける性質を有していません。
10,ひかりの輪は、地域住民やマスコミ、会員の家族などの一般社会に対して、どのような対応をしていますか?
ひかりの輪は、地域社会の皆様の不安を解消するために、地域の皆様との対話や情報公開に努めています。
また、マスコミの取材にも可能な限りご対応し、団体の現状を広く社会に明らかにしています。
さらに、会員のご家族に対しては、両親等への感謝の心を培う自己反省法「内観」の実践を通じて、感謝をもって積極的に交流することを推奨しています。
このように、ひかりの輪は、社会に対して透明で開かれた団体づくりに努めてきました。
11,ひかりの輪は、第三者からどのような評価を受けていますか?
ひかりの輪は、「ひかりの輪外部監査委員会」による数年間の監査を受けてきましたが、その監査結果は、ひかりの輪には観察処分の適用要件がない(すなわち、ひかりの輪が麻原の影響を受けたオウムの後継団体ではない)ことを示しています。
また、多くの識者からも、ひかりの輪がオウムに対する真摯な反省に基づく活動を展開していることを評価され、一般の出版社からも、ひかりの輪の理念を伝える出版にご協力をいただくなどの評価をいただいています。
12.なぜ宗教で過ちを犯したのに、また宗教をやるのですか?
まず、繰り返しになりますが、ひかりの輪は、宗教ではありません。
東西の思想哲学の学習教室であって、心の幸福や、心の問題の解決などのために、仏教哲学や心理学を学ぶ場です(ウィキペディアなどでは仏教系哲学サークルと紹介されています)。特定の神仏・人間・指導者・経典・思想などを絶対視することは一切ありません。
そして、ひかりの輪の活動目的の一つは、オウム真理教のような宗教の広がりを防ぐことです。そのためには、これが心の問題であるがゆえに、それを実体験した者でなければ、その原因と、その脱却や予防の方法がわからない部分があると考えています。
すなわち、私たちは、オウムを実体験し、抜け出した経験を活かし、様々な心の問題・苦しみを抱える人が多い現代社会において、オウムやそれに類する宗教が不要となるような思想・哲学を創造し、普及したいと考えているのです。
これは、いわば感染症の予防や治療と似ています。一度感染症に罹って、それが治ると、二度と感染しない抗体ができます。この抗体のメカニズムを基にして、まだ感染したことがない人の予防に役立つ「ワクチン」もできます。このワクチンは、感染源の毒と全く無関係ではなく、毒を無毒化して出来るものです。
私たちの場合は、オウムの経験とその脱却の過程の様々な葛藤・探求を基にして、オウム的な宗教の持つ弊害を有さずに、同時に様々な心の問題を解決する効果を持つ思想・哲学(仏教哲学・心理学・宗教の裏表や危険性など)を普及しています。これをたとえて表現すると、オウム的な宗教を無毒化したワクチンの普及であって、これにより、オウム的な宗教への感染の予防につながると考えています。
また、予防だけでなく、実際に感染した人の治療もしています。すなわち、今なお麻原を絶対として信仰し、オウム事件を陰謀と主張する詐欺的・洗脳的な教化によって多くの新しい信者を獲得しているアレフ(旧オウム真理教)に入信した人の脱会支援を、団体組織を挙げて行っています。
専用のサイトを立ち上げ、相談窓口を設置し、各地の担当者が、アレフ信者や、家族がアレフに入信した方々の相談を受け付け、これまで100名を超える方の脱会支援に成功しています。これに関連して、入信の予防活動も行っており、サイトに加え、報道機関と協力し、アレフの問題を告発する番組などを作成しています。
こうして、ひかりの輪は、オウム的な宗教の広がりの予防と、それに感染した人への治療を行うための思想哲学の団体です。
13.オウム事件があったのに、なぜ団体を解散せずに維持しているのですか?
まず、ひかりの輪は、アレフ(旧オウム)を脱会した者が創設した団体ですが、オウムの後継団体ではなく、オウム信仰・教義・体制を一切捨て、それとは全く異なる性質を持った、東西の思想哲学の学習教室です。
次に、オウム事件の過去を持つ私たちが、個々人ではなく団体として活動することを選択した、主な目的は以下の通りです。
(1)オウム的なものに対するワクチンの普及
オウム(現アレフ)や、類似するオウム的な妄信の広がりを抑制・根絶するには、それに代わる精神的な幸福を得る健全な思想・哲学・実践法を持った団体・コミュニティが必要で、それをひかりの輪は目指しています(詳しくは、こちら)。
その中で、アレフ(旧オウム)の広がりの未然防止や、入会者の脱会支援、その布教組織の解体に向けた努力を行っています(詳しくは、こちら)。
こうした活動のためには、団体組織が不可欠です。
(2)オウム事件の賠償の実行
ひかりの輪は、オウム事件の被害者・遺族の方に賠償金をお支払いする契約を締結しています。被害者の中には、団体解散を求める方もいますが、賠償を求める方もいて、最終的な判断として、被害者団体側からの要請を受け、契約を締結しました。
この賠償の実行には、団体が不可欠です(詳しくは、こちら)。
(3)身寄りのない高齢者・精神疾患者の保護
オウム時代に教団に出家した高齢者・精神疾患者を団体が保護していますが、このために団体組織が不可欠です。