5.心理的瞑想①:自我超越
ここでは仏教の伝統である自我執着を超越する瞑想をご紹介します。
現代は、心理学的には自己愛型社会とも呼ばれ、自他の優劣の過剰な比較を含んだ過剰な自己愛のために、さまざまな苦しみ・ストレスが生じているとされます。
これに対して、仏教・ヨーガは、物事の無常の瞑想や、自分の財物・名誉に限らず心身をも客観視して、それらを本当の自分とは見ない無我(非我)の思想があり、その代表的な瞑想法として四念処(しねんじょ)や四法印(しほういん)と呼ばれるものがあります。
そして、最近GAFAなどの一流企業にもストレス解消や自己開発のために導入されているマインドフルネス瞑想も、米国の医師が、この仏教の瞑想法から作った自己客観視の瞑想・心理療法です。
実際に、普段は自分の否定的な思考や感情に没入してストレスが強い人やうつ病を患っている人などが、マインドフルネス瞑想で、思考や感情を客観視することによって、苦痛がやわらいで癒され、心のバランスを取り戻せることが、心理学的な調査で判明しています。
そこで、ひかりの輪では、この四念処や四法印をわかりやすい現代語で表し直したものを瞑想しています。
◎四念処
身体不浄 感覚は苦
心は無常 一切無我
◎四法印
諸行無常(しょぎょうむじょう) (すべてのものは、無常である)
諸法無我(しょほうむが) (すべての事物は、私・私のものではない)
一切皆苦(いっさいかいく) (すべては不安定であり、とらわれれば苦である)
涅槃寂静(ねはんじゃくじょう) (煩悩を滅した悟りの境地は、静かで平安である)