1.瞑想の準備
ここでは瞑想を行うための準備について説明します。
1.部屋・環境を整える
(1)部屋の換気をする
理想は2カ所で換気し、空気が入る所と出る所を作ることです。
(2)整理整頓をする
綺麗に片付いた部屋は気持ちの良いものですが、部屋の状態に心の状態が現れるという心理学的な見解があります。気の流れを整える風(ふう)水(すい)学でも、換気と整理整頓は最も重要なものとされています。
2.服装を整える
体を締め付けない服装にします。ベルト・バンド・時計などは外します。特にベルトは外すことで、腹式呼吸が容易となります。服装は、伸び縮みする柔らかなものが理想です。寒くなければ、靴下なども脱いでおきます。
3.姿勢を整える
(1)座り方は安定したものにします。仏教・座禅・ヨーガの専門的な座法が理想ですが、安定すれば、正座・あぐら、さらには椅子に腰かけてもかまいません。
(2)猫背を避け、背筋を伸ばし、腰を入れて、頭・首・背中・尾てい骨が、一直線になるようにします。椅子を使う場合は深く腰掛けます。すると、猫背の場合と異なり、首や肩に余計な負担がかからず、体重を背骨が支えることができ、首・肩・腕などの力が抜けます。なお、背筋を伸ばす際に、いったん体をゆっくり後ろに反らせて戻す方法があります。
(3)首・肩・腕の筋肉をほぐします。猫背のために、普段は緊張しているからです。あわてずにゆっくりと首や肩を回します。首は、時計回りと反時計回りに交互に回します。肩も、前回し、後ろ回しを交互に行います。
この際、回す前に息を吸い、回しながら息を吐くと、よりリラックスできます。また、肩の力を抜くために、いったん持ち上げてから落とす方法があります。肩から先の腕や手はぶらぶらさせて、力を抜きます。
(4)上半身を左右にゆっくりとねじります。背筋は真直ぐなままに、右にねじり、元に戻し、次に左にねじり、元に戻します。その際、ねじる前に息を吸い、ねじりながら息を吐き、ねじり終わったら自然呼吸をしながら少しの間その姿勢を維持し、その後、息を吸いながら、上半身を元に戻します。
(5)両方の手のひらを上に向けて両ひざの上にのせて、肩・腕・手の力を抜きます。その後、手はそのままでもいいですが、両手をお腹の前に持ってきて、手のひらを上に向けたまま、左手の上に右手をのせて、足の上に置くやり方もあります(仏教の座禅の手の組み方で「定印(じょういん)」といいます)。