第430回『仏教・ヨガと最新科学が説く本当の自分と心の真実』(2020年1月26日 東京 70min)
(2020年2月 5日)
これは、2020年1月26日 に、東京で行われた上祐代表の講義の動画です。
講義には、以下の内容・テーマが含まれています。
ここ数十年間で目覚ましい発展を遂げた認知心理学や認知科学の見解は、仏教・ヨーガの思想と同じように、意識は、思考・感情・意志・欲求といった心の働きを区別する。
まず、ヨーガでは、真実の自分である真我は純粋な観察者であり、思考や感情といった心の働きとは違うが、普通は真我(意識自体)が、心を自分と混同・錯覚していると説き、心の働きを止めること(=ヨーガ)で、真我(単に観察する意識)だけが存在する状態(=真我独存位)に至れば、そもそもの真我の性質=永久不変の平安を得て解脱できると説く。
仏教は、真我は説かないが、ヨーガと同じように心(や体)は(本当の)自分ではないと説く(無我)。そして、心身と(本当の)自分ではないことに気づいて、その執着(自我執着)から脱却し、悟りの境地(涅槃・ニルヴァーナ)に至れば、苦しみが滅して平安・静寂を得るという(涅槃寂静)。
心理学では、実験を重視する「行動主義心理学」の中で発展してきた認知行動療法が、マインドフルネスという手法で、うつ病やストレスの軽減を行うが、この理論においても、精神的な苦しみの軽減には、自分と思考・感情の脱同一化が重要であるとし、自分の思考・感情を見ている上位の自分(超越的自我・メタ認知)を説く。