第272回『自分の真の価値を発見する智恵』(2016年2月14日 大阪 66min)
(2016年2月14日)
多くの人が、自分の真の価値を感じることができないでいる。親の適切な愛情を得られなかった親子関係の問題や、その人の物の考え方などに原因がある(心理学で言う愛着障害に関する愛着理論に関係する)。
その結果、例えば、1.他に愛されている、自分に価値があると感じられない(卑屈・自己否定感)、2.愛されたいために、絶えず良い子を演じ緊張したり、完璧主義・百ゼロ・極端な性格になる。3.他が自分を嫌っているとすぐに思い込む(不安・被害妄想・傷つきやすい)、4.自分の価値を無理にでも感じるために、皆の中心になろうとしたり(自己中心)、自分の価値を認めない周囲が不当と考えるといった心と人間関係の問題が生じる。。
対処法は、若年期ならば親子関係の改善などもあり得るが、自分で解決するには、1.親や知人に対する感謝を深める訓練(実際は愛されていたことに気づく。内観法など)、2.自分をあるがままに受け入れる訓練(自分が自分の良い親になる)、3.他人をあるがままに愛する訓練(=自分にもそうできるようになる)などがある。これは仏教の修行と通じる面がある。
これらの訓練を支える仏陀の教えとして、苦楽表裏(苦楽の輪)、優劣の輪という教えがある。それは、足るを知って、感謝と分かち合いの心を深め、慢心や卑屈を弱め、万人万物を尊重する心を深める。そして、そうした心こそ、自分の真の価値であり、それを体感・直観することである。その具体的な内容は、極めて微細・精妙であるため、実際に講義を視聴されたい。