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上祐史浩・一般向け講義【2018】

第391回『どんな状況でも生きる意味を見出す心理療法「ロゴセラピー」と仏教の慈悲の思想』(2018年12月16日福岡 67min)
(2018年12月16日)

1.ロゴセラピー
  生きる意味を見失い、絶望している人に生きる意味を見出す援助をする心理療法
  創始者:オーストリアの精神医学者、心理学者のヴィクトール・E・フランクル
  ナチスの強制収容所生活を3年。父母・妻は強制収容所で死亡。

2.生きる意味を発見する重要性

  (1)生きる意味の喪失は、精神的病の原因で、意味を見出せば改善される。
  (2)生きる意味の喪失は、現代社会・現代人全体に広がる病理
    現代の先進国社会では、大きな悩みはないが、虚無感がある人が多くなっている。
    戦後は、物質的には豊かになったが、伝統的な価値感が崩壊したことも原因。

3.どんな人も人生の意味を見出せる

  (1)不幸な状況の中で幸福を感じている人もいる。受刑者、末期ガンの人など
  (2)どんな状況の人でも生きる意味を手に入れることができることが研究で実証されている。
    現実の中に埋もれている生きる意味を見出すことが重要
  (3)苦しみが自分をよりよい自分に変えるなら、苦しみにも意味がある
    自分自身を変えることは、自分自身を越えて成長することを意味する。
    それは苦しい状況のときにこそ生じ、苦しい運命を引き受けるで生じる。

4.生きる意味を見出せる3つの価値のカテゴリー

  (1)創造価値:他の人たちに何かを提供しているという価値
  (2)体験価値:自然や芸術、人との交流によって得られる喜びや感動による価値
  (3)態度価値:どんな苦境でも、その人の心・態度次第で得られる価値。
    思いやりや愛など高潔な態度によって得られる価値である。
    自己超越・自己離脱の性質を持つ。

5.態度価値の実例

  (1)医師のフランクルを労った強制収容所の末期がん患者の男性
  (2)フランクルが末期癌となった看護婦に諭したこと
  (3)フランクルの教えを学んで生きる意味に初めて目覚めた死刑囚
  (4)苦しみの連続の生涯から生まれた慈悲の化身・観音菩薩の説話
  (5)身体障害で難病のある男性が目覚めた生き方:感謝

 

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