第403回『「令和」に込められた十七条憲法の精神:和と輪と仏教の思想」』(2019年4月21日福岡 61min)
(2019年4月21日)
1.「令和」に込められた十七条憲法の精神:和と輪と仏教の思想
(1)中西進氏:年号令和の事実上の考案者の見解
新年号「令和」に、実は17条憲法の和の思想が深い関係を持つ。
(17条憲法の古事記は漢文で国書としがたく典拠とされなかった)。
(2)「和」の意味
仲良くすること(平和)、異なるものの調和など。
互いに対する尊敬の心を背景とした調和・平和。
和は、国名の倭にも通じ、倭は後に大和と表記された。
(3)「和」と「輪」の関係
十七条憲法第10条:人々の平等性の思想を輪にたとえている。
人はみな賢くもあれば愚かでもあり、皆が凡夫である。
輪は、日本文化で平等性・一体性の象徴:縄文の環状集落など
(4)「輪」の意味と仏教
円形のもの・車輪などを意味する。
仏教は、輪は万物(五大)を意味し、仏法の象徴は法輪
(5)「令」の意味
命令という意味ではなく、良い・麗しいとか、律令・法令の意味
令和は、令が法、和が輪に通じるならば、法輪に通じる言葉では。
2.夢をたとえにした仏教の「無常」の思想
仏陀とは目覚めた人だが、現実の昼も長い夢のようなものと悟ることが、仏教の無常の法則に基づいた生き方。