第306回『心を変える4つの方法と静まった心の利益、トランプ後の世界の展望』(2016年11月20日 福岡 76min)
(2016年11月20日)
1.心のコントロールの方法
怒り・不安といった心のコントロールには、心自体を直接コントロールできないので、心と連動する、1.思考、2.行動、3.体の状態(気の流れ)、4.環境を変える方法がある。初期の仏教・古典ヨーガは思考と行動を変えることが中心で、後期の仏教・ヨーガは、気の流れのコントロールに重点を置いた。
2.仏教の人生観・幸福観
仏教は、「今よりもっと他人よりもっと」と求めるのではなく、足るをして分かち合い、落ち着いた大きな心を求めることをその人生観・幸福観としている。それは、精神的な幸福、健康長寿、よい人間関係、正しい判断をもたらす。また、落ち着いた心は、感情に妨げられず、合理的な判断やひらめきを得るなど、正しくものを見る力を与える。さらに、その状態に入ると、同調する人たちの協力や大きな力による導きを感じる人もいる。
3.涅槃と現世
私たちが日常体験する「現実」は唯一のものではなく、人や生き物によって五感と思考が違うため、人や生き物の数だけ現実はある。現実とは五感と思考が作り出すものだ。よって、悟りの心(=涅槃)に至ると、普通の心とは、異なる現実を体験する。その心には、万物が恩恵、仏、一体と写しさ出される
4.トランプ後の世界
歴史を繰り返すというが、トランプ氏の経済政策は、大減税・財政拡大・規制緩和など、レーガン政権(レーガノミックス)と似る。景気がよくなったが、財政と貿易の赤字が増え、日本は急激な円高を求められ、その対処でバブルとその崩壊をきたした。今後、米国の赤字が深刻化し、円高・保護主義・移民排斥など米国第一主義の政策をとれば、日本・世界への打撃があるが、30年前とほど日本や世界に余力がないので、大きな時代の転換点になる可能性がる。