第255回『仏教の心理学:唯識思想から』(2015年9月6日 福岡 65min)
(2015年9月11日)
仏教の心理学とも言われる唯識思想が説く、心の苦しみの原因と対処法を解説。
1. 人は、実際は一体で流動的な物を別々で固定的であると錯覚をする。
特に、「私」は、他とは別者で、固定的な存在だと錯覚する。
2.そのため、「私」に過剰に執着し(=我愛)、財や富、地位・名誉などを貪り、他と争うなどして怒り、色々と苦しむ。さらに、私こそ価値があるという欲求(我慢)があり、慢心・卑屈・妬み・軽蔑にも陥り、苦しむ。
3.仏陀の智恵は、私と他者が繋がっていて、すべては変わるものと理解するもので、その智恵を鍛えることで、「私」への執着と貪り、怒り、慢心、卑屈などの苦しみを和らげることできる。