第449回『宗教消滅の時代に重要性を増す仏教の悟りの思想』(2020年9月27日東京 75min)
(2020年9月28日)
これは、2022年9月27日に、東京で行われた上祐代表の講義の動画です。
講義には、以下の内容・テーマが含まれています。
1.今、国内外の宗教が休息消滅している
平成の期間に、伝統の神道・仏教、新宗教の信者が急速に減少し、宗教が予防に役立たず逆に感染を拡大する新型コロナが、その現象に追い打ちをかけている。
その原因は、貧・病・争の現世の苦しみが、社会福祉・医療・民主政治といった宗教以外の手段で減少し、終末の現実味が薄れ、寿命・人生が長くなって死と来世が遠のくなど、先進国の長寿の民主社会を始めとして、人生観・死生観が大きく変化したため。
2.長寿社会で2極化する高齢者
人生100年の長寿社会で老後が長くなる一方、介護を要しない健康寿命は短く、老化のために脳や身体の機能・人間関係等で様々な喪失体験を経験する高齢者に、認知症・老人性鬱・感情の暴走など精神的な問題が増大している。その一方で、超高齢者の一部には、苦しみを乗り越え、仏教の悟りと似た主観的な幸福感、今が人生で一番幸せと感じる人達が現れている。
3.初期仏教の悟りの思想の復活と弥勒思想
釈迦の初期仏教は、これまでの宗教が重視した終末や来世での幸福ではなく、老病死を含めた人生の無常の苦しみを乗り越える悟りの心、高度な心身の安定・健康・智恵を求めるものであり、今後の社会に非常に有用である。釈迦の思想には、人類の寿命が延び、平和になり、弥勒如来の下で、多くの人が悟る時代が到来するという予言もある。