第399回『競争社会の中での悟りの実現の道:全体の向上への切磋琢磨』(2019年2月24日東京 70min)
(2019年2月25日)
1.現代社会の特徴である競争と仏教思想
(1)全体の向上のための切磋琢磨としての競争:仏教思想の慈悲と一致。
(2)自分の勝利を絶対とする競争=闘争:仏教思想が否定する我執。
(3)あらゆる競争の否定(脱世俗・小乗涅槃)
2.自己勝利・優越感を目的とした競争の問題点
(1)現代人は、生存欲求が満たされ、自己存在意義の欲求が中心である。
(2)承認欲求=他人に自分の価値を認めてもらう欲求が強く、
優越感の充足の欲求が強く、劣等感・妬み・怒り・不満の苦しみがある。
(3)過剰な優越感の欲求(と乏しい自己価値感)は養育環境に一因がある説
3.劣等感に対する健全な対応と不健全な対応
(1)健全な努力による劣等感の挽回
(2)挽回できない場合の不健全な依存の事例。
(3)劣等コンプレックスないし優越コンプレックスという不健全な反応
(4)現代に広がる孤独感・寂しさの背景にも、自己価値の喪失がある。
4.自己価値を見出す方法
(1)他に優越することは、自己価値感の充足の唯一の道ではない。
(2)完璧主義・百ゼロ思考の障害を解消する
(3)他と比較せずに自分の価値を自分で見つける
(4)他への勝利ではなく、他に奉仕することで自己価値を見出す。
(5)広い視野で感謝を深め、既にある自分の価値に気づく。
(6)自他の区別を超えた一元思想
他の幸福を自己の幸福を見る意識の抜本的な改革。