第414回『人が知覚する現実はイリュージョン!最新科学と仏教の空の思想』(2019年7月21日東京 84min)
(2019年8月28日)
1.ヨーガの真我の思想と最新の心理学
ヨーガが説く真我=本当の自分は、心(や体)ではなく、心(や体)を純粋に見ている者であり、これは、最新の心理学が説く「意識は傍観者である」という見解とよく一致している。
2.仏教の無我の思想に関して
仏教は、心や体を含めて、それらは本当の自分・自分のものではないと説き、その点では、ヨーガ(及び上記の最新の心理学)の見解に通じるところがある。この思想を瞑想することで、自我執着を弱めることを目的と考えられる
3.仏教の空の思想と最新の認知心理学に関して
最新の認知心理学は、人の知覚する「現実」は、外界をそのままに現わしたものではなく、実際の世界と大きく異なり、多くの情報の欠落・脱落、多くの推理・創作を含んだ、いわばイリュージョン(幻想)ともいうべきものであり、これは、仏教が説く空(無我)の思想に通じるものがある。そして、これに気づいていないことが、人間のさまざまな苦の原因となっている。