第386回『ネガティブな感情への対処法』(2018年10月28日福岡 60min)
(2018年10月30日)
1.継続的なネガティブな感情の問題
落ち込み・卑屈・怒り・妬み・不安・恐怖といったネガティブな感情
一時的ならば必要な面もあるが、ずっと継続すれば心身を病む。
2.一時的な対処:気分転換:環境と体の使い方を変える
(1)環境を変えて心を変える
①心理学的な手法
野外に行く、自然に親しむ、心が穏やかになる音楽を聴くなど。
ネガティブな感情を忘れる別の何か(健全な物)に集中する
②ヨーガ・仏教の思想と実践
(1)聖地に行く、自宅を聖地にする。
(2)自室:整理整頓・換気、心が静まる音・瞑想香・仏画
(3)衣服:体を締め付けないもの=気の流れを良くする。
(2)体の使い方を変えて心を変える
①心理学的な手法
散歩などの有酸素運動、呼吸法など。
②身体心理学の見解
筋肉をほぐす、ゆったりした呼吸、姿勢を正す、ある種の発声など
③ヨーガ・仏教の思想と実践
アーサナ:ヨーガの体操(正式には体位法)
プラーナーヤーマ:ヨーガの呼吸法(正式には調気法)
マントラ(瞑想):真言
3.根本的な解決法:考え方と行動を変える
(1)思考を変えて心を変える
① 思考と感情は深く連動しており、普通の人は、
(1)自動的な思考・自動的な感情が生じる
(2)自己と(自己の)思考と感情が同一化している
② 心理療法や悟りの仏教哲学の思想
思考と感情を客観視して制御=自己と自己の思考や感情の脱同一化
自分は心の主人・心をコントロールする主体との位置づけ
例:禅の瞑想:無念無想、マインドフルネス瞑想、認知行動療法
③ 自分の不合理・極端な思考を内省・発見して修正する
例:百ぜロ思考・べき思考・レッテル張り
背景の心理:誇大自己・肥大化した自己愛・幼少期の万能感の残存
自己の理想と現実のギャップから劣等感と他者への不満
→こうした心理に気づいて修正していく。
(2)行動を変えて心を変える
① 卑屈・自信の不足を超えて自分に肯定的になる行動
② 他者に勝って幸福になる(他から幸福を奪う)のではなく、
自と他を同時に肯定する・利する思考・行動の訓練
感謝→恩返し・奉仕、仏教の慈悲・利他
→感謝は自分の幸福に気づくし、人間関係を改善する
③ 一攫千金思考ではなく、焦らない地道な努力の重視
卑屈が強いと焦りから一攫千金に走り失敗して更に卑屈に
達成可能な目標を立てて達成し、それを積み重ねる